haruka nakamura / Nowhere from the album ''Nowhere'' (2012)
2013年もあとわずか。毎年末に僕は音楽とともにこの一年を振り返ります。
春や夏にどのような音楽を求め、どのような音楽が秋や冬に寄り添ってくれたか。
この一年は特定の一枚というものはなく、特定のアーティスト、haruka nakamura という方の作品をずっと聴いていました。
好きになったアーティストのことは徹底的に調べるのが常なのですが、このharuka nakamuraというアーティストに関しては、その方の出自やパーソナリティについてもほとんど知りません。調べる気にもさせないほどに、音さえあればほかに何も求めることはなかったんです。
表現者と一聴取者である僕の価値観や感性が重なり触れるところがある。 作品をつくる側と受け取る側のあいだには作品しかない。単純に、それが音楽という表現の良さなのではないでしょうか。なんだかおこがましいかもしれませんが、作品、音楽を通してとても良い関係を築けているような心地良い感覚でいます。
秋の雨の夜、店内で haruka nakamuraの作品が流れているときにずっと本を読んでいたお客さんの時間が、とても濃密に流れていると感じたことがあります。そしてなにも問わずとも、帰り際にその方は「音楽と本の世界に入りこめた」と返してくれました。
haruka nakamuraの音楽が似合う店にしたい。未だにただひとつ、彼の音楽を聴いているという縁しかありませんが、いつかharuka nakamuraの音楽を当店で多くの方と共有できたら良いなあと日々思っています。
haruka nakamura / harmonie du soir from the album ''Twilight'' (2010)
SOUNTRA COFFEE AND MUSIC